エグゼクティブチェアマンのメッセージ

株主の皆様へ、

取締役会を代表致しまして、2021年度12月期のユニ・アジアグループリミテッドとその子会社(以下、「グループ」又は「ユニ・アジア」)の事業報告をさせて頂きます。

2021年度

2020年度アニュアルレポートの「エグゼクティブチェアマンとCEOの共同メッセージ」において、新型コロナウイルス感染拡大の影響で被った損失の克服と、回復力の証明としての“V字回復”に向けた決意を表明させて頂きました。2021年度の当期利益は、グループのたゆまぬ努力とビジネスパートナーのご支援、そして予期せぬ海運市況の大幅な上昇にも助けられ、グループ設立以来の最高益となる18百万米ドルを計上することができました。2021年度の好調な業績を受け、1株当たり0.03シンガポールドルの期末配当金と1株当たり0.02シンガポールドルの特別配当金、合計で一株当たり0.05シンガポールドルの配当金支払いを2022年5月31日に実施すべく、年次株主総会にご提案させて頂くことを取締役会で決議致しました。2021年9月に実施した1株当たり0.02シンガポールドルの中間配当と合わせると、2021年度の配当金合計は1株当たり0.07シンガポールドルとなります。

創立25周年

グループは1997年3月に、私を含む4人の金融機関出身者により、「ユニ・アジアファイナンスコーポレーション」として設立されました。設立当初の主な事業は、ストラクチャード・ファイナンスのアレンジメントとディストレスト・アセットへの投資でした。その後、グループの事業拡大とともに、ハンディサイズ型ばら積船を中心とした船舶投資や、日本及び香港での不動産投資に進出し、現在のアセットマネージャーとしてのビジネスモデルを確立して参りました。創業から10年目の2007年には、シンガポール証券取引所メインボードへの上場という節目を迎えました。その後、エクイティファイナンスにより1億米ドル以上の資金を調達し、現在の船舶および不動産への投資ポートフォリオを構築して参りました。

2022年は、グループ創立25周年にあたります。この25年間は、すべてが順風満帆だったわけではなく、1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマンショック、そして現在も続いている新型コロナウイルス感染拡大など、多くの困難に直面して参りました。なかでも新型コロナウイルス感染拡大は、2005年からグループが携わって参りました日本におけるホテル運営事業を直撃し、2020年度において非連結化せざるを得なくなりました。しかしながら、こうした危機に見舞われる都度、グループは総力を結集し、あらゆる困難を乗り越え、結果として、2012年以降、10期連続で配当を継続して参りました。

次なる章へ

設立25周年を迎え、グループとしての「次なる章」への扉を開くにあたり、グループの財務状況はより強化され、今後の新たなビジネスチャンスに、力強く挑戦するための下地が作られました。レバレッジ解消の結果、バランスシートは以前より強固になり、好調な海運市況に支えられ、営業キャッシュフローは高い水準で推移しております。グループはオルタナティブ投資のプロデューサーとして、常に新しい投資商品を生み出し、新たな投資家層を開拓し、運用資産の拡大とポートフォリオの強化を図り、引き続き、持続的で長期的な成長の実現を使命として参ります。

また取締役会は、ユニ・アジアが責任ある企業市民として、環境と社会の持続的で長期的な成長のために積極的な役割を果たすことができるよう、サステナビリティをミッションのひとつとして取り組んでおります。シンガポール証券取引所(SGX)が気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の勧告に基づき気候関連情報を開示するよう求めていることを受け、グループは持続可能なビジネス慣行の改善に取り組み、その取り組みをサステナビリティレポートで明確に示すことにより、今後のグループにとっての「次なる章」が株主の皆様、環境、社会にとって共通の利益をもたらすことを願っております。

最後に

この場をお借りして、グループの取締役、経営陣そして全従業員の忍耐強く献身的な努力とコミットメントに感謝申し上げるとともに、お取引先、ビジネスパートナー、金融機関、株主の皆様からの変わらぬご支援に感謝申し上げます。上述しました通り、グループの総力を結集し、持続的で長期的な成長、企業価値の向上に向け努力して参りますので、引き続き、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

棚元 道夫
エグゼクティブチェアマン

ユニ・アジアグループリミテッド
2022年3月16日