ユニ・アジアグループについて
チェアマン
平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。ここに、2025年度12月期のユニ・アジアグループリミテッドとその子会社(以下、「グループ」又は「ユニ・アジア」)の年次報告書 をご報告申し上げます。
私は2018年よりユニ・アジアの独立社外取締役を務めてまいりましたが、昨年発表された経営体制の刷新を受け、非常勤会長に就任いたしました。グループの新たな成長の段階を導く役割を担うことを大変光栄に存じます。まず初めに、前任の棚元道夫氏に深い敬意を表します。同氏の安定したリーダーシップと長期的視野に基づく経営はグループの持続的成長を支える強固な基盤を築きました。
2025年度は、取締役会にとって重要な刷新の年となりました。期中には、リム・カイチン、石崎真一郎、入戸野武史の3名がエグゼクティブディレクターとして取締役会に加わりました。各氏はそれぞれの分野における深い専門知識を有しており、取締役会のリーダーシップ、監督機能及び事業執行力のさらなる強化に寄与しています。リム・カイチンは、財務、資本、リスク管理、投資家対応及びコーポレートガバナンスの分野で豊富な経験を有しています。グループCFOとしての在任期間を含め、10年以上にわたりグループに貢献しており、財務とガバナンス体制の強化において重要な役割を担っています。石崎真一郎は、船舶部門の責任者として、船舶事業における豊富な実務経験と高い運営能力を有しています。船隊更新、船舶投資、用船契約および船舶運航を含む船舶事業全般を統括し、グループの船舶プラットフォーム及び資産運用能力の強化を推進しています。入戸野武史は、ユニ・アジアキャピタルジャパン株式会社の社長として、日本における不動産投資及び資産運用を統括しています。住宅、ホテル、商業施設などの不動産資産への投資を中心に、日本不動産事業の拡大と多角化を推進する重要な役割を担っています。
2025年度12月期において、グループは税引後純利益0.8百万米ドルを計上し、2024年度の税引後純損失28. 2百万米ドルから業績は改善しました。この結果は、2025年4月に発生したM/V Glengyle 衝突事故に伴う長期オフハイヤー及び船隊更新プログラムの移行期における影響があった中で達成されたものです。業績改善の主な要因は、前年度に計上された多額の時価評価損の影響が一巡したことに加え、2025年度において投資収益が改善したことによるものです。
船舶事業においては、船隊構成の見直しを着実に進めました。期中には比較的新しい船舶4隻を取得するとともに、29千積載重量トンの船舶をすべて売船しました。これにより、より効率的かつ競争力の高い船隊への転換を進めています。これらの施策は短期的には用船料に影響を与えましたが、中期的にはグループの運営効率及び規制対応力の強化につながるものと考えています。
日本の不動産事業においても事業基盤の拡大を継続しました。小規模住宅案件ALEROのポートフォリオに加え、Private Finance Initiative(以下、「PFI」)事業の拡大は重要な進展であり、社会インフラに関連する長期かつ安定的な収益基盤の確立につながっています。取締役会は、日本を引き続き重要市場と位置付けつつ、資本投資については慎重かつ選択的な姿勢を維持しています。
取締役会は、成長投資と財務健全性のバランスを重視した資本管理を基本方針としています。グループが黒字に回復したこと、ならびに今後の投資需要を総合的に勘案し、2025年度については一株当たり1.0シンガポールセントの期末配当を提案いたしました。本件は、次回の定時株主総会での承認を条件としています。本配当は、財務の柔軟性を維持しつつ、株主の皆様に対して安定的かつ持続可能なリターンを提供するというグループの方針を反映したものです。
会長としての最優先事項は、グループの持続的な成長が高い水準のコーポレートガバナンスにより支えられるよう努めることです。グループは透明性、説明責任及び適切な監督体制が、持続的な株主価値創造の基盤であると確信しています。この点において、ユニ・アジアは Singapore Governance and Transparency Index(以下、「 SGTI」) 2025年度 において35位にランクインし、これまでで最も高い評価を獲得しました。これは、グループがステークホルダーの利益を誠実に守り、ガバナンス体制の強化に継続的に取り組んできた成果であると認識しています。
2025年度には、グループにおいてサイバーセキュリティ事案が発生しました。本件はグループの財務状況及び事業運営に重大な影響を及ぼすものではありませんでしたが、テクノロジーガバナンスの重要性を改めて認識する契機となりました。現在、グループは外部アドバイザーである Ernst & Young を起用し、システムのレビュー及びサイバーセキュリティ体制の強化に向けた提言を受けています。経営陣は、IT統制、業務レジリエンス及び事業継続体制のさらなる強化に向けた施策の検討および実施を進めています。
ユニ・アジアは、資産集約型で景気循環の影響を受けやすい事業分野において事業を展開しています。そのため取締役会は、慎重なリスク管理、規律ある事業執行及び長期的な価値創造を引き続き重視してまいります。船舶事業と日本の不動産事業という多角的な事業構成に加え、共同投資パートナーシップ及び資産担保型ファイナンスを活用したビジネスモデルは、市場環境の不確実性の中でもグループのレジリエンスを支える重要な基盤となっています。
最後に、株主の皆様の継続的なご信頼に心より感謝申し上げるとともに、お客様およびビジネスパートナーの皆様のご支援に深く御礼申し上げます。また、取締役各位のご指導とご尽力に感謝申し上げます。2025年度において直面した様々な課題の中で、各拠点の経営陣及び従業員が示した高いレジリエンスと献身的な取り組みにも、心より感謝いたします。ユニ・アジアが次の成長段階へと進むにあたり、今後とも皆様の変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。