CEOビジネスレビュー
CEOビジネスレビュー
CEOメッセージ
株主の皆様へ、
2025年度は、Uni-Asia Group Limitedにとって実行、レジリエンス、変革の一年となりました。厳しい事業環境が続く中、グループはビジネストランスフォーメーションの取り組みを着実に推進し、収益の質と持続性の向上、ポートフォリオの強靭化、そして中長期的な企業価値の向上に向けた基盤強化に努めてまいりました。
同年度は、4月に発生したMV Glengyleの衝突事故や、船隊更新に伴う一時的な運航面での影響があったものの、グループは黒字回復を果たしました。当期の税引後当期純利益は0.8百万米ドルとなり、2024年度の28. 2百万米ドルの純損失から大幅に改善いたしました。これは、船舶事業及び日本の不動産事業双方における堅調な事業運営に加え、前期に計上した時価評価損の影響が一巡したことによるものです。また、船舶共同投資案件の売船益や、日本国内の投資用不動産及び小規模住案件の売却により、5.8百万米ドルの投資収益を計上いたしました。これにより営業利益は5.6百万米ドルとなり、前期の営業損失から改善いたしました。一方で、船隊更新に伴う稼働日数の減少やドック入り、さらにMV Glengyle衝突事故による長期オフハイヤーの影響により、用船料は減少いたしました。これらは船隊ポートフォリオ再構築の過程において想定していたものであり、コスト管理および運航効率の向上を図りながら対応してまいりました。
船舶事業
2025年度は、船舶事業において重要な転換期となりました。グループは従来保有していた29千積載重量トンのばら積船から撤退し、MV Uni Challenge及びMV Clearwater Bayを売船いたしました(MV Victoria Harbourは2024年12月に売船済み)。一方で、より大型かつ船齢の浅い船舶への投資を進め、MV Kellet Island、MV Uni Sunshine、MV Uni Horizon、MV Trident Starの4隻を取得し、順次引き渡しを受けました。船隊更新の過程において短期的には稼働日数が減少いたしましたが、これは燃費効率の向上や運航の柔軟性確保、さらには環境規制やチャーター需要の変化への対応を見据えた船隊構成への転換を目的とするものです。また、MV Glengyle衝突事故はグループにとって大きな運航上のチャレンジとなりました。同船は現在、中国・舟山の修繕ヤードに移送されており、2026年4月頃の修繕完了を見込んでおります。復帰後は、船隊稼働率および収益の正常化に寄与するものと期待しております。
日本の不動産事業
日本の不動産事業においては、多様化と安定収益基盤の強化をテーマに事業を展開してまいりました。Uni-Asia Capital (Japan) Ltd.(以下、「UACJ」)を通じ、従来の不動産資産運用に加え、より長期的かつ安定的な収益が見込まれる分野への取り組みを進めております。小規模住宅案件ALEROに加え、Private Finance Initiative(以下、「PFI」)事業の拡大にも注力し、2025年度は新たに2件のプロジェクトを獲得いたしました。これによりPFI事業の ポートフォリオは計 5件となり、資産運用および手数料収入による安定収益の拡大に貢献しております。また、大阪・通天閣に近接するエリアに立地する恵美須東インバウンドホテルへの投資を通じて、長期滞在型のインバウンドへの対応も進めております。今後もリスク管理を徹底しながら、持続的な事業拡大を図ってまいります。
レジリエンスとリスク管理
2025年度は、事業運営におけるレジリエンスの重要性を改めて認識する一年となりました。年度中に発生したサイバーセキュリティ事案を受け、外部専門家の支援のもとITシステムの見直しを実施しております。現在、IT統制、業務レジリエンスおよび事業継続体制の強化に向けた改善策の検討・導入を進めるとともに、デジタルツールの活用による業務効率および生産性の向上にも取り組んでおります。グループ全体として、内部プロセスの強化、リスク意識の向上、そして財務規律の維持に引き続き注力してまいります。
今後の展望
グループは、ビジネストランスフォーメーションの指針である「ゴールピラミッド」に基づき、以下の重点施策を推進してまいります。
- 1) 船舶及び日本の不動産事業における安定収益基盤の強化
- 2) 船隊更新およびMV Glengyleの復帰を踏まえた資産ポートフォリオの最適化
- 3) 船舶と不動産事業間のクロスセール機会の拡大
- 4) 人材、システム及びリスク管理体制への投資による持続的成長基盤の強化
これらの取り組みを通じて、グループはより安定的で持続可能な業績の実現を目指してまいります。
2025年度は多くの課題に直面した一年でしたが、グループの前進は社員一人ひとりの努力と献身によって支えられました。取締役会のご指導とご支援に感謝するとともに、香港、日本、シンガポールの各拠点で尽力する社員の皆様、そしてグループを支えてくださる株主及びお取引先の皆様に心より御礼申し上げます。グループは今後も、長期的な企業価値の向上に向け、着実かつ規律ある経営を推進してまいります。